住宅ローンの返済額増額とは?

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの菊池です。今回は「繰り上げ返済以外で住宅ローンの期間を短縮する方法」についてお伝えします。 住宅ローンは35年で組む方が最も多い 住宅ローンで一番多いのが「35年のローン」。月々の支払を軽減したり、住宅ローン控除(減税)の面からみても35年で組む方は実際多くいらっしゃいます。特に家賃と違ってローンは払えそうになければ引っ越せばOKとはならないので、月々の返済を意識して抑えたい気持ちも働き、長く組む方は多いです。 ただ、「35年」ローンは改めて考えると長いですよね。国土交通省が発表した「平成29年度(2017年度) 住宅市場動向調査報告書」によると注文住宅を購入したお客様は30歳代が48.1%、40歳代が26.6%、30歳未満10.5%、50歳代8.8%、60歳以上5.5%となっており、平均購入年齢は39.5歳とされています。40歳から35年となると75歳。 大体の方が60歳で定年、再雇用で65歳まで働くと考えても完済の75歳まで残り10年もあります。3000万円1%35年で組んでいる方なら毎月84,685円なので65歳から75歳までの10年でさらに1000万円も返済をしないといけません。 繰上げ返済にはお金が必要 そこで一般的に期間を短縮する方法は「繰り上げ返済」昔は100万円単位のお金が必要だったり、手数料がかかったりと制約が多かった繰上げ返済でしたが、今や1円からできます。繰上げ返済のハードルは随分下がったと言えます。 ただ、それでも繰り上げ返済が頻繁に行われているかというとそういうわけではございません。 繰上げ返済はやはり大きな金額を入れるという印象が強いのもありますが、何より繰り上げ返済のために金融機関に連絡を入れるという「煩わしさ」が払しょくできていないように思えます。 返済額増額、という繰上げ返済 そこで、今回ご紹介するのは「毎月の返済額を増額」するという期間短縮方法。どういう方に向いているかというと下記のような方に向いています。 ローンの年数を短くしたい 一度に大きなお金を入れて繰り上げ返済をする余裕がない(もしくお金を使いたくない) 毎月の収支には少し余裕がある 繰上げ返済で毎回連絡するのは煩わしい このような方には返済額増額という手段はお勧めです。 毎月、もう1万円ぐらいなら返済に回せるかなという感覚 返済額増額は、文字通り毎月の返済額を増やしたいときに使います。増やした分はもちろん元本の返済に充当されるため、例えば、「1万円返済に多く回す」ということは「毎月1万円ずつ繰り上げ返済を自動的に行う」のと同じような効果があります。 具体的な例を見てみましょう。2015年1月に3000万円を住宅ローンで借りました。金利は1%、年数は35年とします。2020年1月に「毎月の返済を1万円増やせるかな」と思い、返済額の増額を申し込みました。結果は下記です。 毎月の返済が1万円増えて、残りの年数が3年8か月短くなりました。利息軽減効果は528,000円です。 月々の返済を増やすのなら、無理なく返済できる方も多いのではないでしょうか?金融機関によっては1万円以下でも受け付けてくれるところもございます。 金融機関によっては受け付けてくれないところも 増額の条件は金融機関によって変わります。また、金融機関や組んでいるローンの種類によっては増額を認めないケースもあるようです。毎月の返済額を増やすためには手数料もかかることがあります。(条件によっては手数料がかからない金融機関も。) 現状少し余裕があると感じている方は、まずはご自身の金融機関にお問合せをお願いいたします。 ライフプランから考えていくら増額するかを考えたい方は私までご連絡くださいませ。

コロナウイルスで住宅ローンはどうなる?(後編)

4月29日のコロナウイルスの影響で住宅ローンはどうなる?(前編)の続きです。前回は返済への対応ということでしたが、今回は今後の住宅ローンの決まり方についてお伝えさせていただきます。 コロナの影響が大きいと、金利は低下する まず、全体的に言えることは、コロナウイルスが長期化して経済に影響を及ぼす前提で考えると、滞納する人が少なければ少ないほど、住宅ローンの金利は低下する可能性が高いです。 不幸中の幸いなのが、リーマンショック(サブプライムローン問題)の記憶が新しい間に起きたことだと言えます。あの時の経済的なインパクトを世界が覚えているため、リーマンショックの2008年以上の金融緩和や景気刺激策を講じて何が何でも経済がデフレスパイラル(物価が下がるけども、景気が悪くなることが止められない)へ陥るのを避けようとするはずです。そのため、住宅ローンの金利は長期的には下がる、もしくは低くキープされる傾向にあります。 ただ、いくら策を講じても、コロナショックが金融機関や政府が抱えられる以上の経済的なインパクトが起こり続け、多くの住宅ローンの返済を滞るような事態が生じてくると、金融機関がそのリスクに対応するため、金利は上がります。また、物件の売却をしようにも購入する人が少なくなると、サブプライムローン問題のような 政府は賃貸への対策に注力しておりますが、日銀と協力して、金融機関を助ける動きもしてもらいたいです。 固定金利は、「日本への信用」と関連する 固定金利は10年国債利回りが基準に決まります。 10年国債とは、日本政府が国の運営に必要な資金を集める為に発行する「国の債務(=借金)」です。10年間お金を貸してくれたら、10年後に利息をつけて返すよという意味です。 この国債の「流通利回り」が住宅ローンの全期間固定金利型の金利決定に使われている訳です。 なお、少し厄介なのが国債は国が発行する信用度の最も高い債券となっており、資産運用等に利用される事もあるということです。 一般的には、長期金利が上がる時、債券価格は下がります。債券価格が下がるのは、債券を売る動きが出てきている時です。前回のリーマンショックの時にも似たような動きがあったのですが、今回のコロナショックでも長期的な経済停滞を懸念している傾向があります。 さらには東京オリンピックの開催も難しいのかなと判断している方が、国債すら現金化する動きが増していると思われます。 長期的には固定金利も下落すると思いますが、このまま日本の信用が下がり、国債が売られ続けられると、上昇する可能性があります。 変動金利は、政策金利(≒景気)と関係する 変動金利は金融機関が定める「短期プライムレート」と呼ばれる金利に連動します。(※言葉は覚えなくても大丈夫です!!) 基本的にはそれぞれの金融機関が定めるのですが、大手各行は2009年12月から2020年4月現在もずっと変わらず1.475%となっております。 短期プライムレートは住宅ローンの変動金利の指標となる他に、金融機関が優良企業に貸し出す際の1年以内の短期的な指標にも使われます。 金融機関は自分のところに無限にお金があるわけではなく、日本銀行からお金を借りております。銀行の「短期的な融資」に連動するのは日銀の「政策金利」です。政策金利はどのようにして日銀はコントロールするのかというと資金量の大小によって短期金利を誘導しています。 資金量を増やすと、景気を上げようとしており、資金量を減らすと、景気を下げようとしております。 今は(というかここ10年間ずっと)日銀は景気を上げようと必死になっており、特に黒田さんが日銀総裁に就任してからより顕著に景気を上げようとする政策をとっております。 当然、コロナウイルスの影響で景気は上がる要素はありませんので、政策金利を指標としている変動金利は上がりません。 ただし、冒頭でお伝えしたように延滞が増えると上昇することも考えられます。 3年、5年、10年など。一定期間固定金利の決まり方 3年や5年など一定期間金利を固定する固定特約の金利は、「円金利スワップレート」というものを基準にします。ここからは、すこし複雑になりますので、該当する方だけお読みいただければと思います。 「円金利スワップ契約」とは、「変動金利と交換(スワップ)可能な固定金利」のことを指します。レートとは、「円金利スワップ契約に使われる交換レート」のことです。(※言葉は覚えなくても大丈夫です!!!) 【例】A社長はアイウエオ銀行から変動金利で融資を受けております(下図のアイウエオ銀行とA社長の関係)。今後、変動金利が上昇する、とみているA社長は金利が上がるリスクから解放されるために、固定金利にしたいなと思っております。そこで登場するのが金利スワップ契約。ポイントは、A社長は金利スワップ契約をアイウエオ銀行と結ぶのではなく、別の銀行(カキクケコ銀行)と結ぶ (下図のカキクケコ銀行とA社長の関係)です。 金利スワップ契約を結ぶことで、カキクケコ銀行に固定金利を支払い、カキクケコ銀行から変動利息を受け取ります。そうすれば、カキクケコ銀行から受け取った利息をそのままアイウエオ銀行に支払うことができるため、実質、A社長は固定金利での支払い(A社長とカキクケコ銀行)となり、A社長は変動金利の金利変動リスクから解放されます。 この時の、変動利息と固定利息を交換する固定金利を円金利スワップレートといい、その時々でレートが決まります。スワップレートは「変動金利と固定金利」を交換する時の固定金利の水準であり、今後どのように長期金利が変化するかを予想するものともいえます。 今はスワップレートの急上昇を受けて、10年固定などは上昇しております。 まとめ 収入が下がったら、すぐに住宅ローンの相談!! 今後の住宅ローンは金利が低下する可能性があるという展望もありますが、コロナウイルスの影響次第では、サブプライムローン問題と近いようなインパクトが出てくる可能性もあります。 支払いに不安を覚えましたら、必ず金融機関にご相談を!!良く分からない方は、まずは私までご連絡くださいませ。

コロナウイルスで住宅ローンはどうなる?(前編)

こんにちは、菊池です!コロナウイルスの影響で、住宅ローンの返済の相談が増えてきております。フラット35を扱う住宅金融支援機構によると、支払いに関する相談件数は今年2月はおよそ20件でしたが、3月はおよそ200件、4月はすでにおよそ1200件と急増しています。 私のもとにも、住宅ローンやライフプランの相談が非常に多く増えております。 また、先日のブログで賃貸の家賃免除について記載したことをお読みになった方から、「住宅ローンには同じような措置はないの?」というご連絡も複数いただいております。 結論から申し上げますと2020年4月27日現在、日本に住宅ローンに対する政府や地方公共団体からの一律の免除や補償(保証)のようなものはございません。ただし、個別の金融機関などでは対応があるところもあります。 フラット35は「期間延長」「一定期間軽減」「ボーナス払いの変更」 住宅金融支援機構では、①返済期間の延長(最長15年)②元金据置期間(利息のみを支払う期間)(最長3年)、③ボーナス払いの変更や撤廃などがあります。 ①、②に関しては毎月の返済額は減少しますが、トータル返済額は増えますので、ご留意くださいませ。 5月の金利の動きに注目すべきでしょう。 今後、住宅ローン金利についてもっとも影響が懸念されるのは、 現在住宅ローンを借り入れている人が、 新型コロナウイルスの影響で返済できなくなる事態が増えていくことです。 このような債務不履行が増えると、 金融機関は貸しだしに慎重になり金利を上げざるを得ません。 新型コロナウイルスの問題が長引くとその可能性は高まるでしょう。 民間銀行は手数料の免除など 京葉銀行・滋賀銀行・広島銀行・南日本銀行・沖縄銀行などでは 返済条件のにかかる手数料(最大数万円)を免除する取り組みを行っております。 まずは借り入れ銀行にお電話を 住宅ローンの返済に負担を感じたら、すぐに金融機関に相談しましょう。現在はコロナウイルスの影響で、金融機関も大きく門戸が開いております。ただ、私も銀行に行くことがありますが、ローンの部門は絶えず人が出入りしております。必ず、お電話を入れてから訪問いたしましょう! ローンの支払いは遅れないように! もし、何も言わずに返済が遅延してしまうと遅延損害金が発生いたします。一度だけの遅延ならいいかという考えは決してしないでください。遅延により、下記が発生することがあります。 優遇金利の廃止 クレジットカードの停止 借り換えができなくなる 全額返済 給与、住宅など資産の差し押さえ 例えば、優遇金利が廃止されると住宅ローンは三菱UFJ銀行の変動金利0.625%で借りている方は2.475%になります。仮に5000万円の35年で住宅ローンを借りている方が4年後に優遇金利が外れると元々132,573円の方が174,032円(+41,459円)に上がります。(※返済額だけで見ると6500万円の住宅を0.625%で購入したのと同じです。) 詳しくは銀行に相談を!良く分からない、という方は菊池までご連絡くださいませ。

【対象拡大】家賃が最長9か月免除!

コロナウイルスにより、賃貸物件にお住まいで家賃が払えないという方に朗報です。従来は離職して、ハローワークでの登録が済んでからしかできなかった「住居確保給付金」の条件が緩和されました!! この制度は何ぞや?と思っている方も多いと思います。これは、離職(個人事業主は廃業)した後に条件をクリアすると各自治体が原則3カ月(最長9カ月)分の家賃を家主に支払ってくれてその返済の必要もないという素晴らしい制度です。 もともと素晴らしい制度ですが、今回の改定で、臨機応変、柔軟に対応できることとなり、めちゃくちゃ進化しました! その1つが就労状態の緩和です。こちらは失業者向けの制度でしたが、令和2年4月20日からは、仕事に就いたままでも受給できるようになりました!! (やむを得ない休業などで収入が減り、離職や廃業には至っていないが、同程度の状況にある人、という表現)これは、休業要請のためお店が開けられない店舗が増えたことやイベント中止の広がったためです。迅速かつ、柔軟な対応!厚生労働省が適用範囲を拡充してくれました!とってもいい仕事です!(令和2年4月1日からは年齢条件(従来は65歳未満)も撤廃されています。) さらに、今までは「ちゃんと仕事探してるよね?」という意味もあり、失業後にハローワークに登録し、求職活動を続けていることも条件でしたが、今回の見直しでその縛りも撤廃。 もちろん、正社員だけが対象ではございません!非正規雇用者も対象です! 下記は一例です。 子供の学校が休校することにより勤務できなくなった方 雇止めによって働けなくなった派遣社員、 勤務日数が減った派遣社員、 派遣会社に登録している(派遣先が決まらない)方 受注が減ったフリーランスの人 2年以内に離職し、アルバイトで生計を立てている方 新型コロナウイルスの影響で仕事を失ったり、収入が大幅に減ったりしたことなどで、家賃の支払いに困っている人は、相談窓口に相談して、受けられる支援があるかを確認するのがよいだろう。 ●他の要件<収入要件>世帯収入合計が、市町村民税均等割が非課税となる収入額の12分の1+家賃額が超えないことー東京都23区の目安ー単身:13.8万円/月 2人世帯:19.4万円 /月  3人世帯:24.1万円 /月 (※収入には失業給付金も含む) <資産要件>100万円未満で下記を超えないこと単身:50.4万円 2人世帯:78万円 3人世帯:100万円 <世帯主要件>上記の収入になる「前まで」世帯を支えていたかどうか ●支給額(東京23区)単身:5.37万円 2人世帯:6.4万円 3人世帯:6.98万円 ●期間原則3か月(求職活動を誠実に行っている場合最長9か月まで) 詳細は厚生労働省のHPにてご確認くださいませ