レナウン民事再生とソフトバンクグループの赤字

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの菊池です。5月15日、アパレルの大手、レナウンが民事再生法の申請をいたしました。負債総額は138億円。民事再生手続開始等に関するお知らせ(レナウンHPより)『アーノルドパーマー』というカラフルな傘をロゴにしたものブランドを手掛けていた会社ですね。 レナウンが民事再生を行った理由を見てみると2019年12月の決算までに巨大な売掛金(53億円)を回収できなかった(※1)ことが決定的で、その後コロナで営業できなかったことが追い打ちになったようです。(※1)売掛金が回収できないとは…シンプルに言うと「ツケ」を払ってもらえなかった。 レナウンは元々「東証一部」に上場しており、2020年6月16日に上場廃止予定となっております。上場は、大抵「マザーズ → 東証二部 → 東証一部」とステップを踏みながら上場するのですが、レナウンのような大きな企業はいきなり一部上場します。レナウンの場合は2004年に東証一部に上場(IR情報より)しました。 先述した民事再生のpdfを読むと、レナウンは元々苦戦をしていたような記述がありました。レナウンは比較的高級な路線があだとなり、ユニクロやGAPなどのファストファッションに押されてしまい、2010年に中国の企業に買収されていますね。結果、中国の親会社が「ツケ」を払えなくなったことが今回の民事再生に大きく関わっています。(割愛しますが親会社とのトラブルが続いております) 民事再生=倒産ではないので、これから再建を目指すようですが、そもそも親会社も苦戦をしてしまっているので、親会社もレナウンの売却を考えているみたいです。今後は新しいスポンサー(親会社)を探す必要がありそうです。 ソフトバンクは大丈夫? ソフトバンクは5月18日に今年3月期の決算が「1兆3646億円の赤字」であると発表しました。NHKニュースより先ほどのレナウンは138億円の負債で民事再生。その100倍ぐらいの数字です。ソフトバンクは大丈夫?と思う方も多いでしょう。 ソフトバンクがレナウンと違うところはソフトバンクの赤字は株価の値下がりのよるものです。(ソフトバンクの実業(携帯)は順調です。)つまり、孫さんの投資の失敗です。 日本では言わずと知れた携帯3大キャリアの一角を担うソフトバンクですが、会長の孫さんは投資家としても有名です。孫さんが投資家としてソフトバンクの子会社を作って、そこで買った株が大きく値下がりしたことが今回の赤字の要因です。 既にアリババという中国版「アマゾン」の株を売却(銘柄は明示していませんが)して対処をすることを発表しております。今後、ソフトバンクが民事再生になるかどうかでいうと民事再生をの要素はありませんが、孫さんは「安く買って高く売ろうとする」を地でいってる感があり、投資家というより買収屋?のイメージが色濃く出ている印象です。「昨年うまくいったから、今年もうまくいくだろう」という考えで大きく失敗しました。新興国やベンチャーをいち早く見つけ、安く買い、高く売る。を繰り返しています。昔々アマゾンが小さな会社だった時に孫さんが資金が足りなくて買えなくてその後、世界的企業になって後悔したことを根に持っているのですかね。 先ほど、本業の携帯と紹介しましたが、昨年12月の決算発表時に「ソフトバンクの本業は投資だ」と言い切ってしまった孫会長。かといってウォーレン・バフェット氏の「バークシャーハサウェイ」のような完全な投資会社になりたいようにも思えません…。 私には孫さんのビジョンは全く分かりませんが、孫さんの生い立ちやエピソード、その後の半生に触れることで感じたことは、孫さんの素晴らしいところは、とても素直なところです。素直だから、素直に失敗したことは受け止め反省しすぐ次の行動に移せる。元来、60歳を超えると(孫さんは62歳)頑固になり、なかなか自分の非を認めることは難しいですよね。(色々な国の元首の発言で感じることが多いと思います。) また、孫さんだけではありませんが、優秀な経営者の方は「今、自分に出来ることは何か」を常に実行しています。誰かに何かを与えてもらう(守ってもらう、助けを待つ)のではなく、自分自身で積極的に行動し、自分が思いつく最大限の解決策を実行する。それは必然的に自分(の可能性)を信じることにもつながるのではと思います。 現在、日本の会社では世界の時価総額ランクベスト50にトヨタ自動車の1社しか入っていません。30年ほど前はベスト50に30社以上、日本の会社が入っていた時期もありました。(しかもベスト10はほとんど日本)「投資なんて虚業」と、多くの方から言われていると思いますが、孫さんのような経営者が日本の会社の価値を高め、日本に元気を与えてくれるような存在になればいいなと思います。

一括運用の注意点

こんにちは、菊池です。 株価が下がってくると「今、底だと思うので買うなら今ですよね?」ということを良く言われます。 「積立」にとっては「今がチャンス!」という絶対的なタイミングはありませんが「一括」の場合は、商品選定の次に重要なのがタイミングです。 ただし、積立での運用と大きく違うところがあるので一括で投資(運用)を考えられている方は注意が必要です。 一括運用での注意点 運用する際最も大事なことは「どのような商品であるか」は疑う余地はありません。特に一括運用の商品で大事なところは、次の点を備えているかどうかです。 下がりにくい仕組みがあるかどうか 下がりにくい(減りにくい)仕組みとは 一括運用の商品説明(パンフレットなど)で大きく表記されることは「増え方」であることは当然です。ただし増えるかどうかは、もちろん実際運用してみないとわかりません。特に大きく増える可能性がある商品は、大きく減る可能性がある商品だという、表裏一体になっております。 株の現物買いや信用取引のような自分自身で判断するものなら当てはまりませんが、運用担当がいるような商品でお任せで運用をする場合、最も大事なことは下がりにくい工夫をしているかどうかです。これは、「いくら増える」ということ以上に大事な要素です。なぜなら、下がった割合と同じ割合上がっても元の値には戻らないからです。 分かりにくいかもしれませんので、上の図を確認いただければと思います。5月に100円だったリンゴが6月に半額(50%)になりました。ところが、7月になる50%上昇しました。 価格の推移では5月:100円→6月:50円(前月比50%DOWN)→7月:75円(前月比50%UP)となります。 一括運用の場合、途中の運用は関係なく運用成績は価格がすべてです。例えば、5月に30,000円のリンゴを購入した場合、リンゴは300個購入ができ、7月にリンゴを売ると300個×75円=22,500円で7500円の損失が出てしまいます。(一方、1万円ずつ3か月間の積立なら約2,500円利益が出ます。) 使ったお金 保有個数 売却価格 売却額 損益 一括 30,000円(5月に一括) 300個 75円 22,500円 ▲7,500円 積立 30,000円(5,6,7月に1万円ずつ) 433.333…個 75円 32,500円 +2,500円 わずか30,000円の運用を比較した場合、一括と積立の損益で10,000円の差がつきました。 下がった後、同じ割合分上昇しても元の値には戻らないので、下がりにくい工夫がされているかどうかは、一括運用にとっては重要です。 ただし、それでもコロナウイルスのような時は下がることもあります。トータルで資産を減らさないために、積立のような下がってもメリットのある仕組みも併用して使うことをお勧めいたします。

実体経済から離れる株価

日経新聞の記事によると2020年1~3月の米国のGDPはー3.5%となっており、4~6月はー40%の予測も立てられております。リーマンショック時には2008年10~12月のー8.4%となっておりますので、今回のコロナはリーマンショックの時と比べ物にならないぐらい大きな影響を受けております。 失業率も大幅に上昇しました。4~6月は14%まで上昇すると見られております。コロナの問題が起きるまでは、50年ぶりのの低水準の失業率(3.5%)と言われトランプ大統領も鼻息荒く主張していましたが、一気に4倍です。米国で景気が悪いと判断されるのが6%を切るかどうかというところなので失業率が14%まで上がるとみられるのは、本当に異常事態です。 米国は失業率と個人消費で景気を判断する傾向にあります。失業率は異常なほど上がり、個人消費は「stay home」で当然冷え切っております。 このような状態で、株価が大きく下がらないのが非常に危険です。 世界の投資家はどうも株へ過度の信用をしてしまっているように感じます。本日、日経平均は再び2万円の大台に乗せました。アメリカのNYダウ平均も2018年の1月の水準に戻してきました。 これは、株価が2008年のリーマンショックから回復したのが早かったこととしばらく株価が昇り調子だったことで投資家が楽天的になっていることが原因だと推測されます。 リーマンショックより景気が悪くなったらその時の株価に戻るのは暴論ですが、少なくとも実体経済に則した変動にならないと、株の最もシンプルな判断基準である「実体経済との連動」という大事な指標が失われてしまいます。 決して下がるのを期待するわけではございませんが、現在の株価には過度な信用を置かれないことをお勧めいたします。

株価下落時に「投資信託積み立て」でやってはいけない3つのこと

たとえ長期・積立・分散投資をしていても投資信託(変額保険・NISA・iDeCoなどを含む)の基準価額が下落する (価格が安くなる) と現在のような株価の上下が激しい時は不安になりますよね。。。 「このまま上がらなかったらどうしよう。」「あの時に売ってしまったら良かったのでは?」「そもそも購入したのが失敗なのでは?」 特に菊池調べではこういった不安な気持ちは「夜」に来ます。 今回は、株価が下落する時に「投資信託の積み立て」で絶対にやってはいけない3つのことをご紹介いたします。 その1 解約をすること 絶対にやってはいけないこと、その1は解約することです。 積立投資の資産価値は 価格×個数です。 例えば、4月1日時点で基準価額1万円の投資信託を100口保有していました。4月1日時点で資産価値は1万円×100口=100万円…(1)です。ところが、4月2日に基準価額が下落し、8000円になりました。4月2日時点の資産価値は8,000円×100口=80万円…(2)です。(2)ー(1)=▲20万円資産価値は20万円下がりました。 ここで、資産価値が20万円下がったのは「基準価額が2000円下がったため」です。大事なことは、口数(上記では100口)は減っていないことです。もっというと、資産価値が下がっているのはあくまで机上の話です。 しかし、ここで慌てて解約をしてしまえば、机上の話が現実の損に変わってしまいます。 株価が下落しているときには絶対に解約はしないでください。 「いやいや、このまま上がらなかったらどうするんですか?」 という方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそもの商品(ファンド)選びを間違っていない限り、下落時から回復しないことはありえません。逆に、下落から回復しないようなものに積み立てている場合、長期・積立・分散投資にそぐわないにファンドである可能性があります。 その2 別のファンドに乗り換えること 変額保険、iDeCoなど、ファンド変更ができる商品にありがちですが、別のファンドに乗り換えることも、結局「その1 解約をすること」と同じです。 追記すると「下がる前に売却しておけば…」とか「下がる前に元本確保商品に乗り換えておき、下がり切ってから買い戻そう」と考える方もいらっしゃいますが、これもおすすめできません。 確かに、下がる前に売却したり、落ち着いてから買い戻すということはベストのタイミングでできれば、理論上利益が上がります。 ただし、そもそも上記のように理論上の最大利益を取ろうと考えてしまうと「長期・積立・分散投資」の目線ではなく、「短期・一括・集中投資」の目線に変わってしまい、結局本来の目的を逸してしまう可能性が高くなります。 資産運用を行うにあたって、本来の目的を見失うことほど危険なことはありません。下落時の無闇なファンド変更は避けましょう! その3 積立金額の増減 4月1日の記事「コロナウイルス下における積立投資の重要性」で記載した通り、長期・積立・分散投資は「下落時があるからこそ」資産が増える仕組みです。 下落時に積立をやめてしまうことのないことをしましょう! また、逆に積立金額を過剰に増加することも「その2 別のファンドに乗り換えること」で紹介した「長期・積立・分散投資」ではなく、「短期・一括・集中投資」の目線に変わることと同じです。大きく下がったからと言って、大きくお金を入れるとマネーゲームになってしまいます。繰り返しますが、 資産運用では本来の目的を見失うことは最も危険です! まとめ 長期・積立・分散投資で最も大事なことは そもそも、資産運用は「資産を用(もち)いて、運ぶ」ということです。「なんのために、資産を用いて、いつ、どこまで運ぶのか」。 目的が最も大事です。 資産家の暇つぶしの投資でない限り、ライフプランを考え、目的と目的までの距離(期間)を大事にし基準価額の上下に一喜一憂せず、粛々と続けましょう。 フランスの経済学者トマ・ピケティ氏の著書『21世紀の資本』で過去の株式投資が5%ぐらいの成長率があったと記載がありました。 経済成長を信じて、「長期」続けられることによって大事にしましょう。