医療費控除 vs セルフメディケーション税制【年末に得する“使い分け”とレシート整理の完全ガイド】

冒頭:年末は「どっちの控除が得か」を決めるベストタイミング

医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらか一方しか使えない制度です。
12月は医療費が出そろい、医薬品の買い増しもしやすいため、「どちらを使えば最も得か」を判断できる月。
ややこしい制度ですが、年末にサクッと整理すれば、数千円〜数万円の節税につながります。


医療費控除とセルフメディケーション税制の基本比較

ざっくり違いを整理

項目医療費控除セルフメディケーション税制
要件年間10万円超の医療費OTC医薬品12,000円超
対象の範囲病院・薬・通院費・歯科など幅広い特定成分の市販薬のみ
控除額(医療費 – 10万円)(OTC購入額 – 12,000円)
併用可否併用不可(どちらか一方)同じく不可
向いている人医療費が多い家庭日常的に市販薬を買う人

「どっちを使えば良いか」の判断軸

医療費の合計が10万円を超えているなら → 医療費控除

  • 同居家族全員分を合算できる
  • 病院代・通院交通費・歯科治療など幅広く対象
  • 医療保険で戻った分は除く必要あり

医療費が10万円に届かない → セルフメディケーション税制

  • 対象の市販薬の購入額が12,000円を超えればOK
  • 少額でも控除対象になりやすい
  • 家族の分もまとめて使える

特に判断に悩むケース

  • 医療費:6万円
  • OTC医薬品:1万円弱
    → 年末に OTC を少し買い足すとセルフメディケーション税制が有利

どっちの控除を使う? 3ステップ判定チャート

ステップ1

今年の “家族全員分の医療費” は 10万円を超えていますか?

  • はい → 医療費控除 が有利
  • いいえ → ステップ2へ

ステップ2

ドラッグストアで買った OTC医薬品(セルフメディケーション対象薬) の合計は
12,000円を超えていますか?

  • はい → セルフメディケーション税制 が有利
  • いいえ → ステップ3へ

ステップ3

年末までに「必要な市販薬」を買い足せば、12,000円を超えそうですか?

  • はい → セルフメディケーション税制 が有利
  • いいえ → どちらも控除額が少ない可能性大
     ※来年は管理方法を工夫して控除を目指す

判定のポイント

  • 10万円 vs 12,000円 のどちらを超えるかで判断する
  • 医療費は家族全員分の“合算”が可能
  • OTC医薬品は対象マーク(セルフメディケーション対象)があるもののみ
  • 併用は不可(必ずどちらか一つ)

年末に買うと控除で有利な市販薬

セルフメディケーション税制の対象になりやすいジャンル

  • 風邪薬
  • 花粉症薬
  • 解熱鎮痛剤
  • 胃腸薬
  • 肌荒れ・湿疹薬
  • 止瀉薬(下痢止め)
  • 皮膚の殺菌・消毒剤
  • 目薬(抗アレルギー成分)

店頭に 「セルフメディケーション税制対象」 のマークがあるので見ればすぐ分かります。

12月に“買い足す”のが有効な理由

  • 年間12,000円を超えるかどうかで控除の有無が決まる
  • 風邪シーズンなので無駄になりにくい
  • まとめ買いで達成しやすい

面倒くさいレシート管理も、年末のこの時期だけ工夫すれば時短できます。


レシート整理の時短テク

税制で重要なのは「日付・商品名・金額」の3点

時短テク 1:レシートを“税制用”と“通常用”に分ける

  • セルフメディケーション対象のもの
  • その他

袋を2つつくるだけで後で楽。

時短テク 2:スマホで写真を撮ってクラウドに保存する

  • 写真フォルダに「医療費2024」などのアルバムを作る
  • 後から日付検索できるので紙の紛失リスクゼロ

時短テク 3:マネフォワードMEなど家計簿アプリと連携

  • ドラッグストアでの購入履歴を自動記録
  • 仕分けだけ手動で“医療費”に変える
    → レシート整理の手作業が9割減

来年の管理が一気にラクになる“仕組み化”アイデア

1. ドラッグストアは1〜2店舗に決める

購入履歴が散らばらないので、翌年まとめやすい。

2. 家族のレシートは1つの封筒に入れる

1家庭=1袋で管理。
毎月の仕分けは不要で、年末に一気に確認可能。

3. 医療費・OTC専用の家計簿カテゴリを作る

  • 医療費控除
  • セルフメディケーション税制
    のどちらを使うか、年間の合計がすぐ見える。

4. マイナポータル連携で医療費データを自動取得

→ 病院・薬局は領収書を保管しなくてもOK。
→ 自動集計ができて作業ゼロ。


まとめ:年末こそ“どちらの控除が得か”を決める時期

医療費控除とセルフメディケーション税制は似ているようで、まったく違う制度。
年末は

  • 医療費の合計が見える
  • 必要な市販薬の買い足しができる
  • レシート整理のやり方を決められる
    という、最も判断しやすいタイミングです。

制度の違いを理解して、あなたの家庭に最も“得する”方を活用しましょう。